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マジックリアリズムインド独立アイデンティティ

真夜中の子どもたちMidnight's Children

Salman Rushdie / インド / 1981年 ・ 読了目安 540分

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インド独立の瞬間に生まれた子どもたちは、国家の運命そのものだった。魔法と歴史が溶け合う壮大な叙事詩。

『真夜中の子どもたち』のイメージイラスト
『真夜中の子どもたち』のイメージ(AIによる生成イラスト)
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あらすじ

あらすじ(ネタバレあり)

1947年8月15日、インド独立の瞬間の真夜中に生まれたサリーム・シナイは、その時刻に誕生した千人の子どもたちが超能力を持つことを知る。サリームは他の子どもたちの心を読み、テレパシーで交信できる能力を持ち、自らを「真夜中の子どもたちの議長」と任じる。

物語はサリームの祖父アーダム・アジーズの世代から始まり、三世代にわたるインド現代史と並走する。サリームは実は産院で取り替えられた子であり、本当の意味での特権階級の出身ではなく、この秘密がアイデンティティに深い亀裂をもたらす。インド・パキスタン分離独立、カシミール紛争、バングラデシュ独立戦争を経て、サリームの人生は国家の激動と鏡のように対応する。

インディラ・ガンディーの非常事態宣言(1975〜77年)の時期、「魔女の寡婦」と呼ばれる権力者が真夜中の子どもたちを絶滅させようとする。子どもたちは強制手術で超能力を奪われ、多くが殺される。サリームは最終的に生き残るが、肉体は崩れかけており、自分の記憶をチャツネ瓶のラベルに書き記すことで過去を保存しようとする。物語は語り手であるサリーム自身が崩壊していく感覚の中で、インドという国家の混乱と記憶の断片化を同一視しながら幕を閉じる。

読みどころ

  • 個人と国家の同一視:サリームの鼻孔が世界の臭いを嗅ぎ分けるように、一個人の身体がインドという国家の運命を体現する大胆な構造
  • 信頼できない語り手の技法:記憶の誤りや矛盾を自覚しながら語るサリームの語り口が、歴史記述そのものの限界を暴く
  • ラシュディの文体的豊饒さ:英語、ウルドゥー語、ヒンディー語の混淆、映画的なカットバック、脱線を繰り返す饒舌な文体がインドの多様性を体現する
  • ブッカー賞受賞作の重み:1981年ブッカー賞、さらに「ブッカー・オブ・ブッカーズ」にも選ばれた、20世紀英語文学の頂点の一つ

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