恋愛無常日本的美
雪国Snow Country
Kawabata Yasunari / 日本 / 1948年 ・ 読了目安 160分
本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれています。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。芸者と都会人の儚い恋。
目次を見る
あらすじ
あらすじ(ネタバレあり)
東京の裕福なダンス評論家・島村は、雪深い温泉町に年に一度か二度訪れる。そこには芸者の駒子がいた。駒子は三味線の師匠への恩義のために芸者になり、師匠の息子・行男の療養費を稼いでいた。
島村と駒子は深い関係になるが、島村は駒子を愛しながらも「すべては徒労だ」という虚無感を拭えない。駒子の生きることへの一途さ、三味線の練習帳に細かく記した日記、それらすべてが「純粋ゆえに哀れ」に映る。
汽車の中で島村が出会った葉子という女性が再び物語に現れる。行男を看取った葉子は、行男への愛情を持っていたのか、ただの義務だったのか曖昧なまま。
物語のクライマックス:蚕小屋で火事が起き、葉子が落ちてくる。島村が駆けつけると、駒子が葉子を抱きかかえている。駒子の叫びの意味は明らかにされない。空には銀河が広がっている。「天の河が島村の中へ流れ込むような錯覚」で物語は終わる。
読みどころ
- ノーベル文学賞受賞。日本的な余白と無常観の極致
- 完結せず、意味を語らず、ただ美しい場面だけが残る構造
- 島村の「徒労感」が、関係の儚さを受け入れる日本的美学と重なる
原作で読む