同性愛自伝的仮面
仮面の告白Confessions of a Mask
三島由紀夫 / 日本 / 1949年 ・ 読了目安 220分
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仮面をつけて生きることが、真実の顔になっていく。
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あらすじ
あらすじ(ネタバレあり)
語り手の「私」は、幼少期から男性に対して強い性的関心を抱いてきた。聖セバスチャンの殉教画に魅了され、美しく傷つく男性の肉体に性的な興奮を覚える。学校では近江という粗野で肉感的な同級生に激しく惹かれるが、その感情を決して表に出せない。
社会の規範に沿うため、「私」は園子という美しい女性と交際し始める。彼女に対して確かな情愛を感じる一方、肉体的な欲望は湧かない。戦争という時代の激動の中、自分が間もなく死ぬかもしれないという恐怖と、死への憧憬が入り混じる。しかし戦争は終わり、「私」は期待していた(あるいは望んでいた)死を迎えることなく生き残る。
復員後、再会した園子はすでに別の男性と結婚していた。それでも二人は逢瀬を続け、「私」は彼女との関係に感情的なつながりを求め続ける。しかしダンスホールで逞しい肉体の男性労働者に目を奪われた瞬間、自分が園子を愛することは永遠に不可能だという真実を突きつけられる。「私」は仮面をかぶって生きることを運命づけられたまま、物語は結末を迎える。告白の形をとりながら、何も解決しない——その宙吊り感こそが本作の本質である。
読みどころ
- 戦後日本文学初の本格的な同性愛の告白として、タブーを正面から文学の俎上に載せた歴史的意義
- 「仮面」と「素顔」の二重構造が緻密に積み重ねられ、告白するほどに謎が深まる逆説的な構成
- 死への美的陶酔と性的欲望が結びつく三島的エロスの原型が、ここに鮮明に刻まれている
- 戦争・敗戦という時代背景が、アイデンティティの危機と不可分に絡み合う重層的なテクスト
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