自伝的孤独自己崩壊
人間失格No Longer Human
太宰治 / 日本 / 1948年 ・ 読了目安 180分
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「恥の多い生涯を送ってきました」——ある魂の完全な告白。
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あらすじ
あらすじ(ネタバレあり)
語り手が偶然入手した三冊の手記と三枚の写真。そこに記されていたのは、大庭葉蔵という男の凄絶な半生だった。
幼少期から人間の感情と欲望が理解できず、道化を演じることで周囲との関係を保ってきた葉蔵。青年期に上京し、画学校に通いながら左翼運動に関わり、カフェの女給・ツネ子と心中を図る。葉蔵だけが生き残り、その後も転落の一途をたどる。
銀座のバー女給・ヨシ子と結婚し、束の間の安らぎを得るも、彼女が知人に凌辱される場面を目撃し、「人間に対する最後の信頼」を失う。酒とモルヒネに溺れ、何度も自殺未遂を繰り返す。最終的に友人・堀木の通報により、父の手配で精神病院に入院させられる。退院後は故郷近くの山荘に一人閉じこもり、老人のような姿で生きながらえている。
作品は語り手の「あとがき」で締めくくられ、葉蔵のことを知る女性バーのマダムが「神様みたいないい子でした」と語る一言が、その悲劇の深さをいっそう際立たせる。太宰が本作完成直後に愛人と入水自殺を遂げたという事実が、この物語に現実と虚構を溶かし合う異様な重みを与えている。
読みどころ
- 「道化」という生存戦略の崩壊過程を内側から描いた、これ以上ない自己解剖の文学
- 「恥」「罪」「失格」といった言葉が積み重なる独白体の文章が持つ、読む者を引きずり込む吸引力
- 葉蔵の「人間失格」は単なる自己嫌悪ではなく、人間社会そのものへの根源的な疑問を内包している
- 作者自身の死によって完結した、生と死の境界線上に置かれた稀有な自伝的小説
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