戦争恋愛悲劇
武器よさらばA Farewell to Arms
Ernest Hemingway / アメリカ / 1929年 ・ 読了目安 260分
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戦場で出会い、逃げ場のない愛の果てで——世界は美しいものを容赦しない。
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あらすじ
あらすじ(ネタバレあり)
第一次世界大戦のイタリア戦線。アメリカ人義勇将校フレデリック・ヘンリーは戦場の混乱の中でイギリス人看護師キャサリン・バークレーと出会い、最初は軽い気持ちで近づくが、やがて本物の愛情を抱くようになる。
フレデリックは砲撃で重傷を負いミラノの病院に後送され、そこでキャサリンと深く愛し合う関係になる。キャサリンは既に妊娠していた。回復したフレデリックは戦線に復帰するが、イタリア軍の大撤退(カポレットの戦い)の混乱の中で、敗残兵を銃殺する憲兵隊から逃れるために川に飛び込む。この瞬間、彼は戦争と永遠に別れを告げる決意をする。
ミラノでキャサリンと再会したフレデリックは彼女を連れ、ボートで嵐の夜のマッジョーレ湖を漕ぎ渡りスイスへと脱出する。二人はスイスのモントルー近郊の山中で幸せな冬を過ごす。
しかし春、キャサリンは難産に苦しみ、男の子は死産となり、キャサリン自身も産後の出血多量で息を引き取る。フレデリックは病院で妻の遺体に向かうが、そこにはただ死体があるだけで何も感じられない。彼は雨の中を一人ホテルへと歩いて帰る。何の結末もなく、世界は美しいものを壊し続けるという苦い認識だけが残る。
読みどころ
- 愛の物語でありながら結末は徹底的に苦く無情で、戦争文学の美化を拒絶したリアリズムの極致
- カポレット撤退の場面における混乱と恐怖の描写は、戦争の不条理を描く文学的名場面の一つ
- 雨が全編を通じて死と予感のシンボルとして機能し、詩的な統一感と不吉な予感を積み重ねる技法
- ヘミングウェイが39の異なる結末を書いたとされる最終章は、言葉にならない喪失を沈黙で表現する
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