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SF喪失倫理

わたしを離さないでNever Let Me Go

Kazuo Ishiguro / イギリス(日系) / 2005年 ・ 読了目安 280分

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臓器提供のために生まれた子どもたちが、それを知りながら静かに生きた。

『わたしを離さないで』のイメージイラスト
『わたしを離さないで』のイメージ(AIによる生成イラスト)
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あらすじ

あらすじ(ネタバレあり)

イギリスの寄宿学校「ヘールシャム」で育ったキャシー・Hが語り手。彼女は「介護人」として働きながら、幼なじみのルース、トミーとの思い出を振り返る。

物語が進むにつれ、ヘールシャムの子どもたちの正体が分かる——彼らはクローン人間として、将来臓器を提供するために育てられた存在だ。「提供」を数回繰り返した後、「完了」(死)を迎える運命。

三人の関係:ルースとトミーが付き合い、キャシーはトミーへの気持ちを抑えてきた。施設を出た後、ルースは提供を始め、弱っていく過程でキャシーとトミーに二人を付き合わせようとする。ルースは「完了」する。

キャシーとトミーは恋人になり、「猶予」の申請(本当に愛し合っているカップルは提供を数年延期できるという噂)を求めてヘールシャムの元教師を訪ねる。しかし猶予制度は存在せず、ヘールシャム自体もすでに閉鎖されていた。

トミーは「完了」し、キャシーも次の提供者になることが決まっている。彼女は泣きながら「あとで取り戻せるものは何もない」と感じながら前を向く。

読みどころ

  • SF的設定を一切説明せず、登場人物が内面化して受け入れている静けさの恐怖
  • 「なぜ逃げないのか」という問いへの答えが読む者に問い返される
  • ノーベル文学賞作家イシグロの最高傑作との評価

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